シンボルとしての桃・桃花 桃は不死、長寿...
神代のお宝をフルフルする 皆チャマは、どんな初...
ほくろを観る 最近、ある発見をいた...
================<以下引用>================ 東京を発してヨーロッパへ向う国際線大型ジェット旅客機が離陸して三時間後。高度一万メートル。時速九百二十キロ。窓の外は眼下に灰色をしたくもまた雲の団塊のみ。それが陽を浴びてぎらぎら光っている。すでに機は安定して、うごいているのかいないのか、窓の外のけしきを見てもぜんぜん分からない。ときに、いささか退屈をもてあました友彦は手をのばして、乗客サービス用に座席に備えつけられたイヤホーンを耳にあてた。気に入りのロック・グループの音楽を聞くつもりだった。指でダイヤルをまわすと、とたんにビートのきいた荒々しい音の洪水が耳にとびこんでくる。その音の洪水にまじって、みごとにロックのリズムに乗りながら、だれの声とも知れず、玉をころがすような澄んだ声が一きわ明るくひびいてきたのには友彦もあっけにとられた。 諸行無常 是生滅法 あきらかに歌手の声ではない。とすれば、なにものがこれを歌ったのか。友彦はイヤホーンをはずして、思わずあたりに目をやった。 『うつろ舟』 著者 澁澤龍彦 発行 福武書店 1986年6月30日第四刷 P211~P212より引用================<引用おわり>================
『うつろ舟』 著者 澁澤龍彦 発行 福武書店 1986年6月30日第四刷 P211~P212より引用
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