私が、30歳になるか、ならないかの頃。
ある冬の昼下がり、側道を歩いていた私の左背後から、
神戸ナンバーをつけた黒い乗用車が、すっと、近づいてきた。
エンジンをかけたまま、その場へ停車した運転席の男は、
私に向かって、妙なコトを口走った。
「婦人服の営業をやってるんだけど、服が余っちゃってね」
「良かったら、どれでも好きなモノをあげるよ」
それだけ言うと、男は、後部座席へ視線を走らせた。
・・・面妖なコトを言う男だと思った。
男の視線につられて、後部座席に目をやってみると、
そこには、
180cmロング丈の、黒いナイロン製衣装カバーが居た。
ミョーな凹凸感をみせている黒ナイロンの袋は、
服が入っているにしては不自然な角度で、シートにもたれかかってた。
黒ナイロンのフロントファスナーに目を留めた瞬間、
私の中に、ふっと、あるヴィジョンが兆した。
「このファスナーを下ろしたら最後、
中から、裸の男が飛び出してきて、
自分が代わりに、中へ押し込められる!」
受け取ったヴィジョンに衝撃を受け、一歩後ずさった私に、
運転席の男は、鋭い舌打ちを浴びせかけてきた。
神戸ナンバーの車は、時速80kmぐらいの猛スピードで急発進すると、
そのまま、北へ向かって遠ざかっていった。
状況を理解できないまま、遠ざかる車を見送った私は、
それから数日間、その時の自分に何が起ころうとしていたのか、かんがえてみた。
一人でかんがえても判らなかったので、
ケーサツ屋さんで働いているツレ(♂)に、メールで、相談してみるコトにした。
メールの中では、ヴィジョンの件は伏せておいたのだが、
二人一組のプロではないか、とゆーのが、ツレの返事だった。
事例E 誘拐のヒトと遭遇しちゃったかもしんない
として提出したトコロで、
ヴィジョンが兆した直後に一致した事象が発生した事例とゆー条件設定だから、
この事例を、全体数に計上するのは、チト難しいだろーな。
ヴィジョンが兆した直後に、相手が逃走したってのは事実だけれど、
それっていわゆる、状況証拠に過ぎないんだもの。
客観に耐えうる物証までは、とても提出するコトができないわ。
だって、一番カクジツな物証ってゆったら、
確率計算やってるこのアタシが、
死体になってなきゃなんないじゃーん?
そんなあぶねー物証、おいそれと提出できるかよっ。
でも、ツレの考えが正しいなら、
アタシのXパワーが発動するバックグラウンドには、
危険予測のファクターも、存在してるってコトになるワケだー。
このドーブツ的なXパワーに加え、
悪いミュータントと遭遇するなり、尻尾巻いて逃げ出す遁走の術も併用すれば、
ラクしてヤツらと戦えるかもしれないぞ。
ヒトよりケモノに近いアタシには、
獣遁の術が似合うかもー♡
とゆーワケだから、事例Eは引っ込めた今現在、
1+1+1=3 1+1+1+1=4 3÷4=0.75
合計数 全体数
桃花サンのXパワーが男性の股間にしか反応しない確率は、
やっぱり75%でーす♡
おともだちのみんなも 不審者には気をつけるんですよ
MATERIAL by YAMA☆SOZAIYA HONPO